📊 S&P500、『幻の好業績』に注意
ウォルマート(WMT)とエヌビディア(NVDA)の決算発表を控える中、先週のS&P500の 『4四半期先行純利益予想(FFQE)』 が1月以来 初の週間減少 を記録しました。 💰
FFQEは前週の$347.01から$346.82へと小幅低下。1月16日以来、約4ヶ月ぶりの減少です。現在のFFQEベースのPERは21.4倍で、年初の22.9倍から着実に低下傾向にあります。
ポイント: 表面的な成長率(26%)の裏には、一過性・非経常利益がかなり含まれています。

🔍 実質成長率は?一過性利益を除外すると
LSEGはS&P500の2026年年間EPS成長率を 26% と予想しています。しかし、実際の 営業ベースの有機的成長率 はこれに大きく及ばない可能性が高いです。
主な一過性利益は以下の3つです:
- アルファベット(GOOGL): Anthropic持分法評価益 $3.01/株
- アマゾン(AMZN): Anthropic関連持分評価益 $1.54/株
- ネットフライズ(NFLX): ワーナーブラザーズ契約解約違約金 $0.65/株 (総額$28億)
これらを合計すると $5.20/株 に達します。現在のLSEGの四半期ボトムアップEPS予想が$74.62であることを踏まえると、これを除いた 実質EPSは$69.42 です。
前年同期のEPS($63.07)と比較すると、実質成長率は 約10% に過ぎません。年間ベースでも市場が期待する28%ではなく、22%前後 が現実的な見方と言えるでしょう。

📈 主要指標の変化一覧
| 指標 | 前週 | 今週 (5/15/26) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 4四半期先行純利益(FFQE) | $347.01 | $346.82 | ▼ -0.05% |
| FFQEベースPER | 21.3倍 | 21.4倍 | ▲ +0.1倍 |
| S&P500 イールド | 4.69% | 4.68% | ▼ -0.01%pt |
| 年初来PER (1/1/26) | 22.9倍 | 21.4倍 | ▼ -6.6% |
短期的には依然として底堅い水準ですが、減速シグナルが明確に現れ始めています。
📊 ファンダメンタルズ詳細分析
| 企業名 | 株価 | PER (株価収益率) | PBR (株価純資産倍率) | ROE (自己資本利益率) | 営業利益率 (OPM) | 売上高成長率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| AMZN (Amazon.com,) | $259 | 30.98 | 6.31 | 24.29% | 13.14% | 16.60% |
| GOOG (Alphabet) | $385 | 29.40 | 9.74 | 38.88% | 36.12% | 21.80% |
| GOOGL (Alphabet) | $388 | 29.59 | 9.81 | 38.88% | 36.12% | 21.80% |
| NFLX (Netflix,) | $89 | 28.82 | 12.09 | 48.49% | 32.30% | 16.20% |
| NVDA (NVIDIA) | $221 | 45.11 | 34.09 | 101.48% | 65.02% | 73.20% |
| WMT (Walmart) | $134 | 49.16 | 10.74 | 21.85% | 4.57% | 5.60% |

⚠️ 債券市場の警告: イールドカーブ急勾配化
FRBの新議長に指名された ケビン・ウォーシュ(Kevin Warsh) 効果で、米国債市場は大きく動いています。先週は イールドカーブ(長短金利差) が急激にスティープ化しました。これは市場が長期的なインフレリスクをより大きく織り込み始めたサインです。
特に注目すべきは TLT(iシェアーズ 20年超米国債ETF) が売られ過ぎ領域に入っている点です。$80~$82のサポートラインが崩れた場合、10年物利回りが 5% を突破する可能性も排除できません。
テクニカル分析の観点から見ると、TLTの週足チャートは2022年の金利急騰局面と類似したパターンを示しています。当時もETF価格が主要移動平均線を下抜けた後、さらなる下落があったことを踏まえると、現在の水準では 追加下落リスク に備える必要があるでしょう。
結論: 決算シーズンは表面的には華やかに見えますが、中身を精査すると 一過性利益による『目の錯覚』 がかなり含まれています。さらに米国債市場の警告灯も点灯しており、現在は 銘柄選別 と リスク管理 がより一層重要となる局面です。📉⚠️
